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2020年4月18日(土)に発売のライズオブザデュエリストで収録される「三戦の才」という魔法カードが今までにない効果をしているので考察していきたいと思います。
三戦の才
《三戦の才》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:このターンの自分メインフェイズに相手がモンスターの効果を発動している場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分はデッキから2枚ドローする。
●相手フィールドのモンスター1体を選び、エンドフェイズまでコントロールを得る。
●相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んでデッキに戻す。
発動条件はあるものの、禁止カード3枚分の効果を秘めていて、コントロール奪取に関しては、本家心変わりよりも強化されていて対象を取らない効果になっています。
三戦の才は強いのか?
問題はこのカードが強いのか?というところなのですが、発動できればめちゃくちゃ強いと思います。
先行で手札誘発などをトリガーに発動する場合は、相手の手札誘発のケアで2ドローしたり、相手の次の展開を抑制するためにハンデスすれば次のターン手札4枚以下で相手は動かなければいけません。
そして後攻は捲り札として優秀で、相手のドラグーンオブレッドアイズやサベージドラゴン、環境テーマで言えばオルフェゴールやサンダードラゴンなど、相手ターンにモンスター効果を発動するデッキは多いです。それらの効果を誘発させ、三戦の才でコントロール奪取できると一気に盤面を捲ることさえできます。特に、対象を取らないのでドラグーンを奪ってドラグーンの効果で相手モンスターを壊滅させてダイレクトアタックを通しドラグーンをリンク素材にしてしまうムーブは最高の返しと言えるでしょう。
三戦の才の登場でプレイングやデッキ構築はどう変わるのか?
このカードの登場で誘発が打ちづらくなったり、相手ターンにモンスターの布陣を並べることのリスクがかなり上がりました。下手にモンスター効果を使えばこのカードの返しで負けに直結してしまうかもしれないからです。
増殖するGの弱体化
三戦の才の発動条件は自分メインフェイズに相手モンスターの効果発動なので、遊戯王最強カードと名高い「増殖するG」をメインフェイズに打ちづらくなったので、実質弱体化と言えます。スタンバンフェイズに打てば三戦の才の影響を受けませんが、相手が特殊召喚しなかった場合は、フル展開を止めれるとはいえ、今までのように特集召喚効果にチェーンで発動しづらい状況なので、最低限手札交換はできる、みたいなプレイングは減ることになると思います。このカードの登場により、メインフェイズに増殖するGを打たれづらくなるのは展開デッキに追い風です。
メインフェイズ以外に発動できる手札誘発の評価上昇
逆に言うと、増殖するGはスタンバイフェイズで打っても強いのでまだいいですが、メインフェイズで発動する誘発カードは、このカードの採用率にもよりますが、相対的に弱体化することになります。灰流うららは自分のターンに増殖するGを止める役割があるのでさすがにまだ強いですが、ヴェーラーなどのその他モンスター手札誘発カードはかなり使いづらくなってしまいますね。
一方、D.D.クロウやディメンションアトラクターのようにスタンバイフェイズで発動できる誘発カードは評価が上がります。そして罠カードの無限泡影は三戦の才の発動トリガーにならないので、ヴェーラーの代わりに採用率が上がり、評価もかなり上がりそうです。
プレイングの変化
このカードが登場後大きくプレイングが変わることは余儀なくされると思います。
■手札誘発はメインフェイズ以外にできるだけ発動する
■永続効果のモンスターを並べるようにする(ミドラーシュや超雷龍、固いディンギルスなど)
■スタンバイ・バトルフェイズに発動しても強いモンスターを布陣に置く(雷神龍、蘇生ディンギルスなど)
■先行は布陣を作るよりも耐性モンスターなどで耐えることに重点を置く(三戦の才を発動されると厳しい展開になるため)
■魔法罠を伏せて防御する
■ドラグーンは自分を守るために効果を使い、できるだけバトルフェイズまで効果を使わないようにする(棒立ちでもかなり強い。天敵のヴァレルロードなどにカウンターするのがよさそう)
サンダードラゴンデッキが強くなる?
こう見るとサンダードラゴンデッキは三戦の才の登場後強くなるかもしれないですね。超雷龍は永続効果で、雷神龍はメインフェイズ以外でも効果を発動できます。そしてエースの2体は耐性を持っているので生き残りやすいです。さらに、苦手だったドラグーンも三戦の才や禁じられた一滴で突破しやすく、大型ビートなので罠で守りながら戦うのも相性がいいです。そしてDDクロウは貴重な闇属性を補給し、ディメンションアトラクターはあまり影響を受けないので相性がいいです。先行で孤高の獣などに無限泡影を打たれても三戦の才を握っていれば2ドローして罠を伏せたりできても強いです。もっと言うと、三戦の才の影響を受けづらいエルドリッチが強くなってくると思うのですが、電光雪花を使えばエルドリッチに強く出れて、スキルドレインも大型を出せるのでそこまで苦ではありません。
他にもサンドラが強い理由があって、孤高の獣と雷族のコストが1枚あれば妨害なしだとユニオンキャリアーが立ちます。ニビルケアするかどうかですが、雷獣龍か超雷龍にドラゴンバスターブレードを装備すると永続効果で制圧盤面が作れるので強く、ユニオンキャリアーでサンダードラゴンカードを装備して、それをコストに禁じられた一滴を発動するのも強いです。
さらに同じ弾から発売される三戦の才をメタれるブリザードですが、ディメンションアトラクターを無理なく採用できるサンドラは、アトラクター適用時にブリザードのデメリットを無視して一方的に三戦の才含め魔法カードを無効化することができます。コンボ前提ですが、決まるとかなり強いです。なのでディメションアトラクターの評価もサンドラがかなり強く出てくるようになれば上がるかもしれません。環境によってはマクロコスモスも採用を考えられるかもしれません。そうすれば2枚目以降のブリザードもデメリット無視で発動できます。
エルドリッチデッキがまたもや強くなる?
三戦の才は、相手ターンにモンスター効果を発動するデッキや手札誘発を積んでいるデッキなら強く影響を受けます。しかしエルドリッチは基本的に罠カードで妨害をしていくので、三戦の才の発動条件を満たさないことが多いです。エルドリッチデッキのエース、黄金卿エルドリッチの効果の性質上、モンスターを入れすぎると弱くなってしまうため、モンスターの手札誘発を積まないことが多いです。なので、多くのデッキが三戦の才の影響を受けるなかエルドリッチデッキは、それをすり抜けていくことができます。そうすると、相手の三戦の才を腐らせることができるので、新たな強みがエルドリッチに生まれたことになります。
エルドリッチデッキはプレアデスも出せますが、マッチ1戦目に出さないプレイングも大事かもしれません。エルドリッチデッキと判明した場合、相手は2戦目以降、三戦の才は抜いてくると思うので、2戦目以降にプレアデスを出すと意表を付けると思います。
あとは、増殖するGが効きづらいのと、新パックの天龍雪獄が強いので、それも加味されて、三戦の才の登場後は相対的にエルドリッチは強くなると思われます。
デッキ構築の変化
三戦の才が登場したことによって、相手メインフェイズにモンスター効果が使いづらくなるので、モンスターの制圧が実質弱体化してしまいます。なので、デッキ構築の段階からモンスター効果の制圧に依存する割合を減らさないといけません。
そのため、罠や魔法、永続効果のモンスターの割合を増やすことになると思います。特に罠は1撃が重めの効果のものが多く、フォース罠は通れば1枚で盤面を返せます。バージェストマディノミスクスもフリチェ除外なのでもちろん強いです。そして、増殖するGを打たれた時に緊急防御としても機能するのが罠のもう1つの強みです。
天龍雪獄の採用
もし、罠を採用するならぜひ入れたいカードが1つあります。三戦の才と同じ弾から出る「天龍雪獄」です。このカードは発動コストもなく、壁を用意したり、種族統一デッキが多いのでほとんどの場合除去に使用することができます。さらに墓地利用も封じるのでかなり強いカードです。恐らくノーレアだと思います。選んで除外でドラグーンも除去できるため、様々なデッキに入れたいなと思っています。
三戦の才のメタカード採用
プレイングで三戦の才を発動させないことはできますが、そこを意識しすぎて妨害できないのも勝ちに繋がらないかもしれません。そこで、同じ弾から発売されるブリザードや神の宣告を採用して、それらのカードを握っていればモンスター制圧盤面を作ることもできるので、ジャンケンができるようにデッキ構築の段階からこれらのカードを採用するのもありだと考えられます。
サンダードラゴンデッキだとブリザードを採用しやすいので、一考の余地ありです。
三戦の才の採用
毒を持って毒を制す理論ですが、相手ターンにモンスター効果を発動するテーマや手札誘発を積んでるデッキは今の環境ほとんどです。なので、先行後攻どちらでも仕事をする三戦の才は基本的にメインから採用してもいい働きをしてくれると思います。
なので、対策をするだけではなくこちらも採用してうまみを活かしていくのがいいと思います。さらに三戦の才をこちらも採用することで、抹殺の指名者で無効にできるため、三戦の才メタにもなるので抹殺の指名者を採用する場合は1枚はメインからも採用したいですね。
今後のデュエルの流れ
三戦の才が登場したことで、手伝誘発が強すぎる流れに抑止がかかりました。さらにモンスターの先行制圧が強すぎる現環境において、先行有利な感じが歪めませんでしたが、このカードの登場でモンスター制圧だけだと物足りず、むしろリスクまで生まれたこのカードはデュエルの駆け引きが生まれて、ジャンケン感が薄れたので個人的にはいいカードだなと思いました。
このカードのおかげで、本来の遊戯王の罠を伏せて妨害するという昔ながらの戦術が増えればジャンケンで覆せなかった状況もプレイングと駆け引き次第で逆転できたりと、昔の流れに戻っていくんじゃないかなと思います。今の遊戯王は手札誘発を引けてなかったら後攻はほぼ負けみたいなことも珍しくないので、そういった状態を捲れるカードが増えるのはいいことだなと思いました。
昔は、切り札を出したところに奈落の落とし穴を打って相手を止めたり、伏せカードは激流葬かな?ミラーフォースかな?とドキドキしながらプレイをしていました。そういった駆け引きの要素が増える流れになるとより一層面白くなるんじゃないかなと思います。
まとめ
三戦の才はデュエルの方向性を大きく変える、ポテンシャルの秘めたカードだと思いました。しかし、手札誘発環境が抑止され、対処法の少なかったドラグーンの解答にもなるカードです。モンスター制圧を弱めるカードでもあるので、罠の採用が増えれば、環境も低速化していき、駆け引きの多い、プレイング力が顕著に表れる良いカードゲームに変化していくんじゃないかなと個人的には思いました。
発売後の変化が今からとても楽しみです。
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